注意: 本ページの内容は概要です。正確な履修要件については、必ず各年度の学生便覧を確認してください。2022年度のカリキュラム再編により、入学年度によって要件が異なる場合があります。不明な点は教務担当教員に相談してください。
哲学という学問について
「なぜ何かが存在するのか」「正しさとは何か」「私たちは本当に何かを知ることができるのか」――こうした問いを前にして、安易な答えに飛びつくのではなく、立ち止まって考え続けたいと感じる人。それが哲学に向いている人です。
哲学は、物事の「当たり前」を疑い、根本から問い直す学問です。筋の通った議論を粘り強く組み立てていく力が求められますが、同時に、読書や対話を通じて自分自身の見方が根底から揺さぶられる経験こそが、この学問の醍醐味でもあります。正解のない問いに向き合い続けることに知的な面白さを感じる人にとって、哲学は最も刺激的なフィールドになるでしょう。
名大の哲学研究室では、古代ギリシアから現代に至る西洋哲学を中心に、各自が自由にテーマを選んで研究を進めることができます。プラトン、アリストテレス、デカルト、カント、ニーチェ、フッサール、ハイデガー、ウィトゲンシュタイン――扱える哲学者や問題は多岐にわたります。なお、中国哲学とインド哲学にはそれぞれ独立した研究室があり、当研究室では主に西洋哲学を扱いますが、哲学において問われる問題は洋の東西を問わず通底しています。原典を読み解く力と、哲学的に思考する力を養うこと。それが当研究室での学びの核心です。
分属を考えている方へ(1年生向け)
文学部では1年生の秋学期初旬に分野・専門への分属を決定します。
春学期に開講される「人文学入門II」では、哲学分野の教員がリレー講義形式で分野の紹介を兼ねた授業を行います。哲学がどのような学問で、名大の哲学研究室ではどのような研究・教育が行われているのかを知るよい機会ですので、哲学に少しでも関心がある方はぜひ受講してください。
秋学期の分属決定前には、先輩の学生と話すガイダンスや教員による説明会も開催されます。研究室の雰囲気や実際の学生生活について直接聞くことができる貴重な機会ですので、ぜひ参加してください。
2年次:進級に向けて
2年生にとってまず重要なのは3年次への進級です。進級に必要な単位については便覧の別表第1を確認してください。基本的には全学教育科目(英語・初修外国語・健康スポーツ科学・データ科学・教養科目など)を中心に単位を積み上げていくことになります。言語や教養科目の単位は落とさないようにしましょう。
ただし、全学教育科目だけに専念する必要はありません。哲学分野の専門科目は、卒論演習や一部の上級演習を除いて2年生から履修可能です。演習科目も2年生から取れますので、臆せずに挑戦してください。
2年次から取りたい専門科目
- 哲学概論・西洋哲学史講義:哲学分野の基礎となる講義科目です。まずはここから始めましょう。
- ギリシア語またはラテン語:哲学専攻ではどちらか一方の古典語が必修です。2年生のうちに履修を始めることをお勧めします。岩田の西洋古代哲学に関する演習の履修を考えている方は、ギリシア語を選択しておくとよいでしょう。
- 哲学・倫理学演習・西洋哲学史演習:哲学の原典や文献をもとに深い討論を行う演習で、多くの授業で大学院生と一緒に学びます。講義と並行して積極的に取っていきましょう。
共通科目について
専門科目とあわせて、文学部の共通科目も履修していきます。
- 共通基盤科目:「人間と倫理」が哲学分野に近い内容で取りやすいですが、他の科目で単位を取ることもできます。
- 共通実践科目:「人文学の学生のための情報リテラシー」は必修ですので、早めに修得しましょう。「応用倫理学演習」は哲学分野の鈴木が担当しており、お勧めの科目です。「デジタル人文学」も哲学分野の岩田が一部担当しています。
哲学以外の科目
哲学以外の専門科目も自分の興味に合わせて自由に履修してください。卒業のための「選択科目」の単位になります。自分が何を卒業論文で書くのかということも考慮に入れて履修プランを立てるとよいでしょう。
インド哲学や中国哲学や西洋古典学の概論系科目はサンスクリットや漢文等の知識を前提としないので履修しやすいです。特にインド哲学概論系は西洋哲学と通じる問題を多く扱っており、お勧めです。ただし、演習系の科目ではそれらの語学力が必要になる場合があるので、シラバスを確認するか担当教員に相談してください。
また、名古屋大学の情報学部・情報学研究科には哲学を専門とする教員が複数在籍しており、哲学に関連する授業が開講されています。主に講義科目が学部生にとって履修しやすいでしょう。これらは文学部の専門科目ではありませんが、「選択科目」として単位に算入できます(履修登録は情報学部側で行ってください)。
- 久木田水生(情報と倫理、論理学、フィクションとテクノロジーなど):AIやロボットの倫理、技術哲学を専門とし、情報社会における倫理的問題を扱う授業を担当しています。
- 笠木雅史(情報哲学、科学・技術の倫理、科学技術社会論など):認識論・科学哲学を専門とし、哲学的な方法論や科学技術と社会の関係を扱う授業を担当しています。
- 秋庭史典(情報美学、情報芸術論、情報倫理と法など):美学・芸術哲学を専門とし、芸術と情報技術の交差領域を扱う授業を担当しています。
具体的な開講科目や時間割は年度によって変わりますので、各学期のシラバスを確認してください。詳しくは科学・情報哲学研究室のウェブサイトも参照してください。
3年次以降:専門的な学びへ
3年次からは、各教員の演習に本格的に参加して専門的な学びを深めていく段階です。「哲学・倫理学演習」「西洋哲学史演習」では、哲学のテクストの精読だけでなく、大学院生とともにより高度な哲学的議論に取り組みます。自分の関心に合った演習を複数受講しながら、卒業論文のテーマを徐々に絞っていきましょう。
授業以外にも、研究室では不定期に読書会が開かれたり、夏合宿で教員も含めた研究室メンバーとの交流が行われたりします。日常的にも研究室で学部生同士や大学院生と議論を重ねる中で、自分の問題意識が鍛えられ、卒論のテーマが見えてくることも少なくありません。研究室という場を積極的に活用してください。
4年生は卒業論文の執筆が中心となり、哲学セミナー(隔週の発表演習)への参加が原則となります。指導教員と相談しながら論文を完成させていきます。
編入生の方へ
編入3年生は進級要件を気にする必要はなく、卒業要件についても専門科目の条件のみを満たせば卒業できます。ただし、2年間で必要な専門科目の単位を修得するにはかなりの数になりますので、計画的に履修してください。古典語(ギリシア語かラテン語)は3年生のうちに履修を済ませることをお勧めします。
参考リンク
- 授業内容については授業案内を参照するか、担当教員に尋ねてください。
- 全学教育科目の授業については教養教育院のウェブサイトを参照してください。